リフォームの基礎知識と費用の相場

リフォーム期間の目安|場所別とフルリフォームの工期、延期の原因

リフォーム(リノベーション)をする際に気になる部分の一つが期間の目安です。リフォーム会社へ見積もりを依頼した場合、相談した業者に実際の状態を見てもらった上でリフォームプランや見積もりを作成してもらうことになります。見積もりができるのは依頼してから約1週間~1カ月ほどで、リフォームの規模によってはもっとかかる場合があります。これ以外にも業者の選定や、マンションの場合は管理人への相談などにも時間がかかるでしょう。さらに、実際にリフォーム工事を行う工事期間(工期)は、工事内容によって大きく変わります。

本記事では、リフォームの場所別に工期の目安をご紹介していきます。リフォームの工事期間について気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

【工事の場所別】リフォームにかかる工事期間の目安

リフォームに必要な工事期間は、工事する場所によって変わります。まずは、リフォームの場所別に工事期間の目安をご紹介します。

キッチンのリフォーム期間の目安

キッチンリフォームの工期は、工事内容によって大きく異なります。キッチンの設備のみ交換の場合は約1日~5日です。設置だけでなく解体・撤去も必要になります。

内装の張替えを含む小規模なリフォームだと約2日~10日必要になります。床・壁・天井や、給水管・給湯管・下水管などの移設工事も発生する場合があるため、設備交換のみと比べると工期が長くなります。また、レイアウト変更を含む大規模なリフォームを行う場合は約2週間~3週間ほどかかると想定しておきましょう。

トイレのリフォーム期間の目安

洋式便器から洋式便器への交換は半日~1日あれば終わりますが、和式便器を洋式便器にする場合は3日ほどかかることがあります。床や配管などの工事が必要な場合は3日~5日かかるでしょう。

浴室のリフォーム期間の目安

ユニットバスからユニットバスへ取り替える工事はそれほど手間がかからず、1週間程度で完了します。浴槽のみの交換など、部分的な工事であれば1日で終わるでしょう。在来浴室をユニットバスへ変える場合は2週間ほど必要です。

洗面所のリフォーム期間の目安

洗面化粧台を交換する場合は半日~1日ほどかかります。クロスや床などの張替えを行う場合は、4~5日ほどかかるでしょう。

和室のリフォーム期間の目安

和室を洋室へリフォームする場合、工事内容によって大きく日数が変わります。クロス張替えは1~2日ほどで終わりますが、畳からフローリングへの張替えは3~5日ほどかかることがあります。間取り変更を伴うような工事だと1カ月程度かかることもあるでしょう。

リビングのリフォーム期間の目安

リビングの床や天井、壁を工事する場合は2~3週間が目安です。工事の規模やリビングの広さによって期間が変わってくるでしょう。例えば、フローリングの張替えは3日ほどが目安ですが、床暖房を追加するなら2~4日ほど必要です。

内装のリフォーム期間の目安

内装リフォームの日数も、工事する範囲や内容によって変わります。例えばクロス張替えは1~2日が目安ですが、範囲が広ければその分だけ期間も長くなるでしょう。

屋根のリフォーム期間の目安

屋根のリフォームでは足場の組み立て・撤去が必要です。屋根塗装は2週間程度、葺き替えリフォームの場合は1週間程度が目安です。

外壁のリフォーム期間の目安

外壁リフォームでも足場が必要になるため、屋根リフォームと同時に行うと効率的です。外壁塗装は2週間程度、張替えの場合は1~2週間かかるでしょう。

外構・エクステリアのリフォーム期間の目安

外構・エクステリアのリフォームでは、どの箇所を工事するかで工期が変わってきます。植栽の植え込みや門扉の交換などは1日程度で終わることがありますが、フェンスの設置は2週間ほど、ガレージの新設は1~3カ月ほどかかることもあります。

収納のリフォーム期間の目安

小さめの収納スペースを増やすリフォームであれば、1~2日で完了します。大きめのパントリーやファミリークローゼットなどをつくる場合、3日~1週間程度かかると考えておきましょう。

耐震性向上のリフォーム期間の目安

耐震性を高めるための補強方法により、工事期間は変動します。家の一部に金具をつけたり、柱や壁を追加したりする工事なら1~2週間程度で行えます。壁や天井などを解体して骨組みのみの状態にするスケルトンリフォームをする場合は、3カ月以上かかることもあるでしょう。

【建物の種類別】フルリフォームにかかる工事期間の目安

フルリフォーム(全面リフォーム)とは、住宅を全体的に改修するリフォームのことです。基礎や柱などは残して全面改装することで、建て替えずに新築のような状態にすることも可能です。フルリフォームを実施する場合の工事の目安期間をチェックしてみましょう。

一戸建ての場合

戸建ての場合、フルリフォームの工事期間は約1~4カ月が目安です。リフォームする場所の劣化状態や建物の構造・大きさ、範囲・規模などによって期間は変わってきます。庭や外構の工事がある場合はさらに約2~4週間ほどかかるでしょう。

また、これとは別で、リフォーム業者の選定・打ち合わせなどに約2~3カ月程度かかることがあります。工事の規模が大きい分、綿密な打ち合わせが求められます。さらに、場合によっては仮住まいが必要になることに注意しましょう。

マンションの場合

マンションの場合は約1~3カ月の工事期間でフルリフォームが行えます。基本的に専有部分の内装工事のみとなるため、戸建てよりも短期間で完了するとされています。見積もりや打ち合わせなどは、戸建てと同様に2~3カ月ほどかかると考えておきましょう。

また、マンションの場合はリフォーム前に管理規約の確認も必要です。マンションの定めたルールによっては、希望するリフォーム内容が認められないこともあるため気をつけましょう。管理組合へ設計図や工程表などを提出しなければならないこともあるため、必要な手続きについて確かめておくことが大切です。

リフォームの期間が延びる主な原因

リフォーム期間は当初の予定よりも長引いてしまうことがあります。そのため、余裕を持った計画を立てておくことがおすすめです。こちらでは、工事期間が延びてしまう主な理由を解説します。

依頼内容を途中で変更する

着工後に、追加工事や設備の変更を依頼すると工期が延びることがあります。作業が予定通りに進まなくなり、スムーズに工事を行えないためです。追加・変更が起こらないよう、打ち合わせをしっかり行いましょう。

繁忙期に依頼している

一般的に、9月~12月の年末にかけての時期と、3月~5月の年度の変わり目はリフォーム業界の繁忙期といわれています。繁忙期は人手や資材を確保しにくくなり、スケジュール通りの進行が難しくなるため、工期が延びてしまうことがあります。また、ゴールデンウィークや年末年始などの長期休暇を挟んだ場合も、工事期間が延びる可能性がある点に留意しましょう。

工期中の天候が悪い

外壁や屋根などのリフォームは屋外での作業となるため、雨や雪、台風などの影響で工事が遅れてしまうことがあります。梅雨や真冬などの時期に工事する場合は、天候による遅延も想定しておきましょう。

構造体の劣化状況が悪い

工事開始後、住宅を解体してから初めて構造体の劣化が発見されることもあります。補強のための工事を追加で行うことになると、日程が延びてしまうでしょう。

近隣住民とトラブルが発生している

リフォーム工事では騒音や荷物搬入などにより、近隣住民とトラブルになってしまうことがあります。クレームが入ってしまい、特定の時間しか工事できなくなると、それだけ工期も長くなります。トラブルを防ぐためにも事前に挨拶を行い、近隣住民からの理解を得ることがおすすめです。

資材搬入にエレベーターが使えない

エレベーターで資材を運べない場合、効率が落ちてしまうため工事期間に影響が出てしまうケースも見られます。事前にエレベーターでの搬入が可能かどうかを確認しておくと良いでしょう。

許可申請に時間がかかる

マンションの場合は、管理組合への許可申請に時間がかかってしまうことがあります。許可が出るまでに2~3週間かかるケースも見られるため、余裕を持って申請しておくことがポイントです。

リフォームの期間に関するよくある質問

こちらでは、「リフォーム中の住まいはどうする?」「工事を短縮するコツは?」など、リフォーム期間に関するさまざまな疑問について解説します。気になる質問をチェックしてみましょう。

リフォーム期間中の仮住まいはどこにするのが良い?

長期間リフォームを行う場合は仮住まいが必要になることがあります。数日の場合はホテルでも問題ないですが、1カ月を超える場合は賃貸住宅を別途借りる場合が多いようです。その場合、家賃の他に初期費用や水道光熱費がかかってしまう点に留意しましょう。ウィークリーマンションであれば、初期費用がかからないため、トータルでかかる費用を比較して検討することがおすすめです。

また、場合によっては住みながらリフォームを行うこともできます。ただし、日常生活を妨げないように1日の作業量が少なくなる傾向にあるため、工期が長引くおそれがあります。工事中の部屋や設備は使えなくなる点も考慮しておきましょう。

リフォームの期間を短縮するコツは?

大規模なリフォームを行う場合は、仮住まいへ引っ越すことで工期を短くできることがあります。また、工事は基本的に平日に行われるため、月曜日からスタートする日程を組んでもらうことも一つの手です。工事期間中、土日や祝日などがなるべく含まれないようなスケジュールを立ててみましょう。

リフォームの期間と費用の関係は?

基本的には、リフォームの規模が大きく工事期間が長くなると、それだけ多くの費用が必要になります。追加工事が必要な箇所が出てきた場合も、工期が延びて追加費用が生じることがあります。予想外の出費をなるべく避けられるよう、しっかりと準備した上でリフォーム工事に取り掛かることが大切です。