リフォームの基礎知識と費用の相場

庭のリフォーム費用の相場は?安く抑えるコツと主な補助金・助成金

庭のリフォーム費用は、工事内容や庭の荒れ具合などによって大きく変わります。どのような工事が必要になるのかをチェックして、大まかな予算を検討しておくことがおすすめです。庭リフォームで行われる主な工事の内容や、費用相場についてチェックしておきましょう。

庭のリフォーム費用の相場

庭リフォームの中心価格帯は数万~150万円と幅広く、明確な相場を出すことは難しいでしょう。100万円以内に収まるケースが多いものの、施工費用は工事する場所や内容によって大きく異なります。例えば、リフォームする箇所が庭の一部である場合と、全面的な工事を行う場合とでは、総合的な費用は異なります。

また、庭の広さはもちろん、荒れ具合によっても価格は変動することがあります。メンテナンスが必要な箇所が多いほど予算もかさみます。予算を抑えたい場合は、最低限必要な部分から工事を行うことも大切です。実現したい庭のイメージを確定させて、優先的に工事する場所を決めていきましょう。

では、次の見出しから主な工事内容別に、リフォーム費用の相場をお伝えしていきます。希望する施工内容の相場はいくらになるのかを確かめていきましょう。

【主な工事内容別】庭のリフォーム費用の相場

ここからは工事内容ごとのリフォーム費用相場をご紹介します。ご自宅の庭リフォームに必要な予算を把握するため、ぜひ参考にしてみてください。

工事内容費用相場工期の目安
庭の整地2,000円〜6,000円/1㎡1日
砂利敷き3,000〜1万円/1㎡1日
芝生張り4,000~7,000円/1㎡(天然芝)
5,000〜1万3,000円/1㎡(人工芝)
1日
コンクリート舗装1万円/1㎡1週間~10日
造園工事100万円以内2週間~3カ月
ガーデニングスペース設置20万~30万円1~2日
カーポート設置15万~60万円2日~1週間
ウッドデッキ設置1万~3万円/1㎡(天然木製)
2万~4万円/1㎡(人工木製)
5日前後
タイルデッキ設置1万5,000〜2万円/1㎡1週間
サンルーム設置30万~100万円3日~1カ月
テラス屋根設置15万~25万円1日~1週間
フェンス設置1万円/1m3日前後
※費用相場はあくまで参考価格です。実際の費用はリフォーム時に必ず施工店へご確認ください。

庭の整地

整地とは、整備されていない庭の地面を、凹凸の箇所がなくなるように整える工事です。地面を均すだけではなく、雑草や埋まっている小石の除去なども工事に含まれます。費用相場は2,000円〜6,000円/1㎡で、工期の目安はおよそ1日です。

整地は庭のリフォームを行う際の基礎的な工事であり、単体で行われることは少ないことが特徴です。砂利敷きや芝生張り、コンクリート舗装などを行う前に必要になります。

庭の整地はDIYで行わず、専門家に任せることがおすすめです。例えば、整地後の処理として地面が盛り上がらないよう庭を掘削し、雨で地盤が緩まないよう砕石を敷き詰め、転圧器などで地面を踏み固める作業があります。工事で出た残土を処分する必要もあり、すべてをDIYで行うのは難しいでしょう。しっかり整地できていないと、地面に凹凸ができたり、上手く排水できなくなったりすることもあるため、プロへ依頼することが大切です。

砂利敷き

整地した場所へ除草シートを敷き、砂利を敷き詰める工事です。費用相場は3,000〜1万円/1㎡で、工期の目安はおよそ1日です。

砂利は和風砂利や洋風砂利などの種類に分けることができます。また、処理の仕方によって砕石や玉石に分けることもできます。石のサイズや色などは豊富にあるため、どれを選ぶかによっても費用が変わってくる部分です。

芝生張り

指定の場所へ芝生を張る場合、整地や除草シートの敷き詰めを行う必要もあります。天然芝の場合、費用相場は4,000~7,000円/1㎡です。人工芝の場合、天然芝の場合、費用相場は5,000〜1万3,000円/1㎡です。どちらの場合も工期の目安は1日となります。

天然芝のほうが価格は安くなりますが、設置後は定期的な芝刈りや水やりなどが必要です。メンテナンスの手間や費用を考慮すると、人工芝のほうがコストパフォーマンスに優れているといえます。

コンクリート舗装(土間コンクリート)

庭をコンクリート舗装する場合、整地をした上で型枠やワイヤーメッシュなどを組んで配置し、コンクリートを流し込みます。費用相場は1万円/1㎡程度で、工期の目安はおよそ1週間~10日です。コンクリートが乾かくまでにはしばらくかかります。施工期間は必要ですが、コンクリート舗装した場所は雑草対策が必要なくなる、水はけが良くなるといった点がメリットです。

造園工事

造園とは、簡単にいうと庭づくりのことです。希望のコンセプトや雰囲気に応じ、庭木を植えたり砂利を敷いたりして、理想の空間を作り上げます。小規模の造園工事であれば100万円以内が費用の目安です。規模が大きくなると100万円を超えることがありますが、一般的なご家庭の造園工事であれば100万円に収めやすいでしょう。工期の目安はおよそ2週間~3カ月で、規模によって変動します。

ガーデニングスペース設置

花や木などの植物を育てるガーデニングスペースを作りたい場合、理想の空間に合わせたデザインを行った上でリフォームに取り掛かります。費用相場は20万~30万円程度で、工期の目安はおよそ1~2日です。庭の一部をレンガで区切る、アーチやオベリスクを設置するなど、要望に応じてさまざまな工事が行われます。花壇や鉢植えをお手入れしやすいよう、水道を設置するケースもあります。

カーポート設置

駐車スペースに設置するカーポートは、屋根と柱のみで構成されており、壁がないことが特徴です。カーポート本体には柱が片側についたタイプと両側についたタイプがあり、基本的には片側タイプのほうが安価で購入できます。

費用相場は15万~60万円程度で、工期の目安はおよそ2日~1週間です。新しくコンクリート舗装が必要な場合はそちらの費用もかかるほか、工期も長くなります。

ウッドデッキ設置

家族が集まるリビングの延長として、ウッドデッキを設けたいと考える方も多いのではないでしょうか。天然木製のウッドデッキのリフォーム費用相場は1万~3万円/1㎡で、人工木製の場合は2万~4万円/1㎡です。工期の目安はどちらもおよそ5日前後となります。人工木のほうが高くなる傾向にありますが、耐久性に優れており、劣化しにくいことがメリットです。また、オプションで手すりや階段を付けることで、さらに費用や工期が必要となります。

タイルデッキ(タイルテラス)設置

木ではなくタイルを使ったタイルデッキ(タイルテラス)は、水はけが良く劣化しにくいことが魅力です。基礎となる土台を作り、タイルを貼り付ける作業が必要なため、ウッドデッキよりも費用は高めの傾向にあります。費用相場は1万5,000〜2万円/1㎡で、工期の目安はおよそ1週間です。

住宅の床と同じ高さでタイルデッキを設置する場合、排水設備のグレーチングも必要となります。取り付け費用は5万円/1㎡程度です。

サンルーム設置

サンルームはガラス張りの部屋のことです。日光がたくさん差し込むため、ガーデニングや洗濯物干しなどで活躍します。安心してペットを遊ばせることができるスペースとしても活用できます。

サンルームの種類によって、リフォームの総額は大きく変わります。費用相場は30万~100万円で、工期の目安は3日~1カ月と、工事内容によって変動します。

テラス屋根設置

テラス部分に屋根がない場合、後付けで設置することができます。ウッドデッキやタイルデッキなどの上に取り付けることも可能です。屋根があることで雨や日光をよけることができ、テラス自体を劣化から守ることもできます。費用相場は15万~25万円で、工期の目安はおよそ1日~1週間です。

フェンス設置

家の外からの視線を遮る目隠しフェンスは、全長が何mになるかによって価格が変動します。費用相場は1万円/1mで、工期の目安はおよそ3日前後です。また、生垣を撤去してフェンスへ変えたい場合、伐採や抜根、木の処分費用なども必要になる点に留意しましょう。

庭のリフォーム費用を安く抑えるコツ

庭のリフォーム費用を安く抑えるためには、どのようなポイントに気をつけたら良いのでしょうか。ここでは、庭リフォームの予算をできるだけ抑えるためのコツをご紹介します。

工事内容に合わせて専門業者に依頼する

庭のリフォーム工事の内容は多岐にわたり、それぞれに専門業者が存在します。一つの施工会社にすべての工事を依頼するよりも、専門業者に依頼を分けたほうが、リフォームにかかる工事費用を抑えられる傾向にあります。専門業者へ直接依頼することで、中間費用が発生しなくなるためです。例えば、芝生張りは造園業者、カーポート設置は外構専門の施工業者といったように、分野別に業者を探してみましょう。

優先順位を決め、予算内で工事を行うようにする

庭のリフォームを予算内で行うためには、優先順位をつけることも重要です。今もっとも必要な工事は何かを見極め、リフォーム内容を検討しましょう。

また、見積もりの際にはリフォーム会社の担当者へ予算内に収めたいことを伝えておくことも大切です。予算オーバーした場合は優先したい工事から実施し、順位の低いものは後回しにすることも一つの手だといえます。

材料費を抑える

リフォームで使用する材料や商品の費用を抑えることで、トータルの金額も安く上げられます。見積もりの金額が高くなりすぎてしまったら、材料費を抑えられないか確かめてみましょう。

数の業者から相見積もりを取る

どのリフォーム会社を選ぶかによっても、最終的に支払う金額は変わります。複数社へ見積もり依頼して、予算内で工事をしてくれる業者を探しましょう。

リフォーム後のデザインをシンプルにする

デザイン性の高い庭づくりにチャレンジしようとすると、リフォーム費用もアップしてしまうことがあります。費用を抑えるためにはできるだけシンプルな仕上がりを目指すことがポイントです。

自分でできるリフォームはDIYで行う

可能な範囲でDIYをすることでも、リフォームにかかる費用を節約できます。専門的な工事はリフォーム業者へ頼み、できる部分は手作りすることで安く抑えましょう。

庭のリフォームに利用できる主な補助金・助成金

庭のリフォームに利用できる補助金・助成金は、基本的に自治体が提供しています。自治体により実施の有無や金額が異なるため、事前に確認しておきましょう。こちらでは、庭のリフォームで活用できる主な補助金や助成金をご紹介します。

生垣の設置

生垣を設置する工事費用について、助成金が支給されることがあります。生垣は街並みの美観形成、住環境の向上、地震時の災害防止などに役立つためです。対象となる工事は、生垣の造成やブロック塀の撤去が一般的です。

東京都大田区の制度を例に、生垣の助成金の具体的な例をご紹介します。既存のブロック塀などを取り壊して生垣を造成する場合、1mにつき16,000円以内が助成されます。新たに生垣を造成する場合は、1mにつき10,000円以内の助成を受けられるようです。いずれも工事費用が限度額を下回る場合は、実際にかかった費用まで助成されます。

このように、助成金には限度額が設定されています。そのほか、対象者や対象となる生垣の要件、申請方法なども自治体により異なります。事前にチェックしておきましょう。

雨水タンクの設置

雨水を貯めておけるタンクを庭に設置することで、水道代の節約ができることはもちろん、災害時の備えとしても役立ちます。自治体によっては雨水タンクの購入・設置費用が助成されることがあります。対象となる雨水タンクのサイズや条件などは異なるため、お住まいの自治体の情報を調べておきましょう。

フェンスの新設

古くなったブロック塀をそのまま放置していると、何かの拍子に崩れて危険な状態になることがあります。自治体によっては、ブロック塀の撤去や新しいフェンスの設置に補助金を設けています。ひび割れや傾きなどがあり、倒壊のリスクが高い場合は補助の対象になる可能性があるため、ぜひチェックしてみましょう。

バリアフリー化

バリアフリーに関するリフォームを行うことで、自治体から助成金を受けられケースもよく見られます。例えば、玄関へ上がるためのスロープや補助手すりなどの設置は、バリアフリーリフォームとして補助金制度を活用できるでしょう。

屋上・壁面の緑化

自治体によっては、グリーンカーテンや屋上庭園などを設置するときに補助金が出ることがあります。細かい条件は自治体ごとに異なります。プランターの容積や植物の種類なども指定されている場合があるため、利用したいときはしっかりと確認しておきましょう。

庭のリフォームでよくある質問

最後に、庭のリフォームでよくある質問をご紹介します。リフォームに際して気になる疑問を解消しましょう。

雑草に悩んでいる場合のおすすめのリフォームは?

庭の管理で悩まされやすいものの一つが雑草対策です。以下のような方法で雑草の繁殖を防ぎ、メンテナンスの手間を軽減しましょう。

方法の一つが、防草シートを敷いてシートの上に砂利を敷き詰めることです。比較的安価に対応でき、工期も短く、変更したいときに撤去しやすい点がメリットです。防草シートが劣化すると雑草が生えてくるため、定期的な交換が求められます。

コンクリートで舗装することもおすすめの方法です。舗装すれば基本的に雑草は生えてこず、上からタイル張りすると見た目もおしゃれになります。

また、人工芝を張ることも雑草予防につながります。防草シートの上から張るのも良いですが、耐久年数には注意しましょう。

庭のリフォームで失敗しないためのコツは?

庭リフォームを依頼する前に、目的を明確にしておくことが大切です。どのような庭を造り、どのように活用したいのかをイメージしておきましょう。そこから、どういった機能が必要なのかを考えていくことで、やるべきリフォーム内容を検討しやすくなります。

10万円でできる主な庭のリフォームは?

予算10万円の庭リフォームでは、基本的に一部分の工事のみを実施できます。例えば、小さなガーデニングスペースの設置や植栽の入れ替え、砂利の敷き詰めなどが行えます。

庭のリフォームのうち、DIYしやすいものは?

専門的な技術がそれほど求められない部分であれば、初心者でも失敗せずにDIYできる場合があります。自分でレンガを組んで花壇を作る、芝生をホームセンターで購入して張るといった作業は、ご自分でチャレンジしてみることもおすすめです。

古い庭をリフォームする際のポイントは?

古くなった庭は、植木や庭石などの撤去費用が必要になることがあります。大きさや重量がある場合、撤去費用が高額になるケースもあるため気をつけましょう。ほかにも、庭の水はけが悪くなったり、ブロック塀がひび割れたりと、経年劣化した部分のリフォーム費用も計算しておくことが大切です。

※助成金や補助金、控除等の金額や対象期間、対象工事は各団体のホームページなどでご確認ください。また、費用はあくまで目安となりますので、実際の費用はリフォーム施工店へご相談ください。